栖本町の国道266号から県道34号に少し入った所に荊神社(いげじんじゃ)がある。“いげ”とは、天草で“トゲ”を指す。漢字の読みでは“いばら”である。その名からこの神社は、トゲと因縁深い。 トゲや針がささった時に、祈願すると良いされ、参拝者も少なくないが、中には心にささったトゲをとってもらいに参る人もいるかもしれない。 この神社は、1760年に行われた干拓工事の際、人柱になった“おとし”さんという女性に由来する。人柱に志願したのが、トゲを踏んでしまい、足の化膿に苦しんでいた“おとし”さんだった。 おとしさんのおかげもあり干拓工事は無事に終了。その身代わり精神を讃え、干拓地の上に荊神社が建立されたという。かつて、この周りには、荊も茂っていた。
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